【原書読了・ネタバレ】ハリポタ8巻のあらすじ&感想
Amazonで予約してたハリポタの第8巻(日本語は未翻訳)が届きました!
…といっても、正確にはこれは第8巻ではなくて、「8作目の台本」です。
ハリポタの8作目は、実は「劇」の形式で発表されました。
JKローリングが監修している正真正銘の続編には違いないのですが、劇での発表ゆえ、小説ではなく、劇の台本として8巻が発売されたといいうわけです。
まだ日本語翻訳はされていないので、当然英語。
劇の台本なので結構読みやすかったのですが、全体が長いのもあり、2016年7月31日(ハリーの誕生日!)の発売から、読了まで1週間かかってしまいました。
今回はハリポタ8巻を最後まで読んだ、あらすじ&感想を書いてきます。
核心にあたる部分(どんでん返しや結末など)は隠しますが、それ以外は基本オープンなので、気になる人はブラウザバック!
ハリーポッターと呪われた子供(Harry Potter and the cursed child)のあらすじ
最後の戦いから19年後、ハリーとジニーの間の次男アルバスはホグワーツに入学。
周囲の予想を裏切り、スリザリン寮へ組み分けされます。
英雄・ハリーポッターの息子であるにも関わらずスリザリンに入ってしまったアルバスは、常に父親と比較され、学校生活は全く楽しくなさそう。
そして、父親を重荷に思うアルバスと、息子の気持ちがわからないハリーの間には深い溝ができています。
そんなアルバスを支えるのが、ドラコ・マルフォイの息子、スコーピウス。
スコーピウスはヴォルデモートの息子とうわさされており、彼も周囲からいじめを受けていました。
はみ出しものの二人は、意気投合し親友となります。
アルバスが3年生になり、休暇で家に戻っている間、ハリーの家へ車いすの老人が訪れます。
彼の名前はエイモス・ディゴリー。
三大魔法学校対抗試合で、ハリーの巻き添えを食ってヴォルデモートに殺されてしまった、セドリック・ディゴリーの父親です。
エイモスは、ハリーがとある闇の魔法使いからタイム・ターナー(時間を巻き戻すアイテム)を手に入れたという噂を聞き、過去へ戻ってセドリックを生き返らせてほしいと要求します。
噂は真実ではないとハリーは断りますが、実はそれは嘘で、魔法省はタイムターナーを手に入れていました。
エイモスとの話を聞いていたアルバスは、エイモスの姪・デルフィ(Delphi)の協力を得て、ハリーの代わりにセドリックを救おうとします。
親友のスコーピウスとともに過去へ向かったアルバスは、セドリックを救うために奮闘。しかし、過去から現在へと戻ると、その世界はところどころ変化していて…?
ハリポタ第8巻の登場人物
・アルバス
ハリーとジニーの次男。父親が「ハリーポッター」だったせいで常に周りの注目を集め、からかいの対象に。英雄の息子であるにも関わらず、悪名高いスリザリン寮に入ってしまったことで、状況はより悪化しました。
性格は暗くてネガティブ。うじうじ悩むところは父親譲りかな?
・スコーピウス
「ヴォルデモートの息子」とうわさされるドラコの長男。スリザリン寮。「マルフォイ家は子供が生まれなかったため、優秀な跡継ぎを得るために、タイムターナーを使ってドラコの妻をヴォルデモートのもとに送った」と言われています。
性格は穏やかで少し臆病。母親が13歳の時に亡くなって以来、ドラコとはどこか壁を感じています。アルバスとは境遇が似ているせいか意気投合。唯一無二の親友です。
・ハリー
魔法省の魔法法務執行部の部長として、日々仕事に追われています。
どんどん暗くなっていく思春期の息子にどう接したらいいのか分からず、関係はぎくしゃくするばかり。中年男性の悲哀を漂わせます。
・ドラコ
マグルびいきだった妻アステリアの影響か、性格がかなり丸くなりました。根も葉もない噂に息子が傷つけられていることを、非常に心配しています。
ハリーとは必要があれば話す程度の仲。(仕事はなにしてるんだろ?)
・ハーマイオニー
ロンと結婚し二児の子供を持ちました。そして、現在はなんと魔法省の大臣!魔法界全体の動向を把握するキーパーソンです。
・ロン
兄のいたずら専門店の経営&子育てに奮闘中。性格は相変わらずロン。
・ジニー
夫と息子の間を取り持つ仲介役。悩み多きハリーの相談相手でもあります。
・デルフィ(Delfi)
エイモス・ディゴリーの姪。アルバスとスコーピウスの協力者となり、過去への冒険をサポートします。アルバスとラブの予感…?。
ハリポタ第8巻感想
すっごく楽しい…!!
なんというか、ハリポタファンが見たいシーンがこれでもか!と詰め込まれていて、最初の方はずっと叫びながら読んでました。
物語の冒頭で、スコーピウスが登場して「うおおおお!」、二人が親友になって「うおおおおおおお!」、アルバスがスリザリンに入って「うおおおおおおおおおおおおお!!!」みたいな。
特にアルバスが何寮に組み分けられるかは、7巻のエピローグを読んだ限りでは何とも微妙な感じだったので、今回スリザリンと明かされてすっきりしました!
ハリーは7巻の最後で、スリザリンを嫌がるアルバスに「君の名前の由来になった勇敢な人はスリザリンだった。でも、帽子に頼めば、スリザリンを避けられるかもね」って慰めてたので、帽子を説得してグリフィンドールに行っちゃうルートかと…。
いい意味で予想を裏切ってくれました!
そして、もう一人のメインキャラクター・スコーピウスはすごくいいキャラでした!
穏やかで少し臆病、人を思いやれる優しい子で、少なくともドラコにはまっっっっっったく似ていない(笑)
リーダーシップを発揮するタイプではなく、どちらかというと人についてサポートする方が得意みたい。
ドラコが「リーダーシップをあれだけ教え込んだのに…」と漏らす場面は、ちょっとおもしろかったです(笑)
さらに、アルバスいわくスコーピウスはオタクが入っているらしい。ドラコの息子がオタクってすごい響きだな……!
そして、タイムターナーによる過去改変!!過去に戻れるとなったときから、もうワクワクもノンストップですよ。
私はスネイプ先生が大好きなので、昔のスネイプにアルバス君が会い、ミドルネームについて話す時が来るかと思って、ほんとドキドキしました。
タイムターナーによる過去改変は「時をかける少女」みたいな感じで、セドリックを助けるためにしたことが、どんどん現在を変えてしまいます。
1回目の改変から戻ると、基本は同じ世界なのですが、ハーマイオニーとロンが結婚しなかったり(ハーマイオニーがサイコパスに!)、アルバスが グルフィンドール寮だったり、細部が変わってしまいます。
世界がゆがんでしまったことに気付いた2人は、もう一回過去に戻って現在を戻そうとするのですが、2回目の過去旅行から戻ると、なんとそこはヴォルデモートが支配する暗黒の世界が広がっていました!
セドリックは死なずに済みましたが、色々あってデスイーターになり、ハリーは大戦で死亡。闇の魔法使いたちがホグワーツや魔法省を支配しています。
ということは……、1人いましたよね?闇の陣営が勝っていたら、死なずに済んだかもしれない人が…。
そう、……この世界では、スネイプが生きているのです!
IF世界のスネイプがどんなんだったかというのは、ぜひ実際に読んでからのお楽しみですが、もうここら辺は歓喜の雄たけびです。まさか、過去のスネイプではなく、生き残ったスネイプを見れるなんて…。
ほんと8巻読んでてよかったです。
ハリー、モンペになるってよ
本作一番面白かったのが、ハリーのモンペっぷり(笑)。
物語の中ごろ、ケンタウロスから「アルバスに黒い影が付きまとってる。このままだとアルバスは死ぬ」と予言されたハリーは、いつも一緒にいる親友スコーピウスが本当にヴォルデモートの息子なのではないかと考えます。
思い込んだハリーは、2人を引き離せと、ホグワーツに殴り込み(急展開)。
校長・マクゴナガル先生に対して、「もしも2人を引き離さなかったら、魔法省が全力でホグワーツをつぶす」とまさかの脅迫をしちゃいます。(しかも「子供がいないあなたには僕の気持ちがわからない」と暴言も吐く)
そりゃあ、付き添いのジニーも「大丈夫かこいつ?」って目で見ますわな。
「うちの子とあの子を遊ばせないでください!」と訴え、権力を振りかざして校長を脅迫する…。
……完全にモンペじゃないですか、やだぁー。
そして、その後のハリーVSドラコのモンペ大戦もなかなか見どころ。
親友に会えなくなり涙を流すスコーピウスを見たドラコは、ハリーの家に直談判。
学校で孤立気味な息子から、親友まで奪いとられたのだから当然ですね。
ドラコ「なぜ仲のいい友達同士を引き離すんだ」
ハリー「僕の息子を守るためさ」
ドラコ「どういうことだ?スコーピウスのことを言っているのか?」
ハリー「…スコーピウスは本当に君の息子なのかい?(意訳:ヴォルデモートの息子だろ?)」
…ハリー、それは絶対言っちゃだめなやつだよ…。
ドラコが無言ですっと杖を取り出して構えたときは正直「ドラコさん、あいつをやっちゃってください!」って感じでした。
そこから始まる魔法げんかinハリー家キッチン。
ここのシーンはとにかくド派手で、劇でどんな風に表現してるか気になる!
それと、ハリーとドラコのやり取りが「ふん、腕が鈍ったな」「そっちは練習したようだ」みたいな昔なじみの戦い感があってすごくいい!
へなちょこな印象があったドラコもカッコよく戦っていて、すごく楽しいシーンでした!
好感度が一番上がったのはドラコ!
本作で一番魅力的だったのは、やっぱりドラコだと思います。
旧7作ではハリーに意地悪する高慢な子供、というイメージでしたが、第8巻でのドラコは、家族を愛する父親としての側面がじっくり描かれます。
妻のアステリアを愛し、彼女の忘れ形見であるスコーピウスをいつくしむ、そんな愛情深い側面です。
「あの人は、見かけよりもいい人なのよ」というアステリアの言葉も、マルフォイ一家が深い愛情に包まれていたことが伝わって……。
それと、本作では学生のころ、ドラコがハリーたちをどう思っていたかも明かされます。
あの父親の下で育てられたドラコが、子供のころになりたかったものについて話すシーンは、つい涙ぐんでしまいました…。
総括:ハリポタファンなら読むべし
ハリポタ第8巻は、ハリポタファンならば絶対楽しめると思います!
大人になった懐かしのキャラクターたちや、子供たちの活躍、 そして「もしも」の世界が楽しめるという1粒で3度おいしい構成。ファンサービスの何たるかを分かっていらっしゃる…。
そして何より、物語としてもどんでん返しのはらはらがあり十分に楽しめるようになっています!(そして最後には例のあの人も…)
日本語での翻訳がいつになるかはわかりませんが、待ちきれない方は原書もおすすめ。
台本はセリフがメインということもあり、ハリポタの1~7巻と比較して断然楽です。
英語を勉強したい人、ハリポタファンはぜひ挑戦してみては?